カビのアレルギー

ハウスダストにも含まれることがあり、アレルギー性鼻炎の原因になるのがカビです。日本の気候は湿気が多く、カビが増殖しやすい環境です。アレルゲンになる身近なカビを挙げます。

  • クラドスポリウム
    いわゆる「黒力ビ」です。湿気が多い場所を好み、水回りで繁殖します。浴室、トイレ、台所や排水口で目にすることが多いでしょう。結露が起こる窓や壁にも繁殖します。土中や植物にも発生するため、屋外でも触れる機会があります。
  • ぺニシリウム
    古くなったパンや餅に出る「青力ビ」の正体がぺニシリウムです。ゴルゴンゾーラやブルーチーズの製造にも利用され、身近なカビです。湿気がこもりやすい密閉空間で、温かい場所に繁殖します。靴箱の中、本、衣類、畳、押し入れに目立ちます。毒性が強いものもあり、免疫が低下している人は感染症を起こす危険があります。
  • アスペルギルス
    「コウジカビ」と呼ばれ、ほとんどの人は量の差はあれ、ほぼ毎日吸入しているカビです。畳、じゅうたん、押し入れ、冷蔵庫、エアコンが主な繁殖場所です。室内に置いてある観葉植物の土、切り花やそれを活けてある花瓶の水、エアコンの吹き出し口から多く検出されます。免疫に障害があると、感染症にいたります。
  • アルテルナリア
    冷蔵庫や結露が発生した壁、浴室や台所といった水回りに多い「ススカビ」と呼ばれるカビです。カビの胞子は小さいものが多く、吸い込むと鼻にとどまらず気管支に到達して喘息を引き起こします。しかしアルテルナリアの胞子は大きく、鼻孔の中に長くとどまります。そのため、アレルギー性鼻炎を引き起こしやすいといわれています。

室内で過こしている時にアレルギー性鼻炎の症状が強くなる人は、カビの胞子が一因かもしれません。水回りなどを点検してみましょう。

カビアレルギーの対策はどうすればいい?

  • 対策①:除湿
    基本は除湿です。カビは温度が25~30℃で、湿度60~80%で最も活発に増殖します。湿気の多いところにカビは発生しやすいですよね。どんなに掃除をしても、カビを完全に消滅させることは不可能ですが、湿気だけはどうにかすることができます。露を拭きとったり、お風呂は入ったら冷たい水をかけて換気をしたりすることが肝心です。また、除湿機を使うという手もあります。それ以外には、風通しをよくすること、特にタンスの裏といった密閉された空間に風を入れてあげる事が大切です。カビの弱点は風です。湿気が多いところでも、風があればカビは一定の場所に定着できません。
  • 対策②:水回り・浴室の掃除
    浴室はカビにとって繁殖に適した条件が揃っている場所です。高温多湿がカビ発生・繁殖・成長の大きな原因です。
    水回りも同様です。水回りはこまめに拭きとること。お風呂から出るとき、冷水をざっとかけて換気をする事が大切です。扇風機などを使うことも効果的です。また、ドアを開けて風を入れるなどの対策をこころがけていきましょう。
  • 対策③:寝具を清潔にする
    人は一晩で平均200mlの汗をかくといいます。布団やパッドなどにはかなり汗を吸収しているので、これがカビの原因にもなります。吸収した汗を放出することが大切です。それには日干しが効果的になります。なるべくこまめに干すようにしましょう。梅雨の時期などに雨が続くときは布団乾燥機を使うようにしましょう。

最後に

家の中にいるとアレルギー症状が出てくるという場合は、カビアレルギーかもしれません。家でカビアレルギーの症状が起こる場合、どの場所で症状が強く現れるかをチェックするようにしましょう。そうすることによって、カビが多く潜んでいる場所を特定しやすいです。あまりにもカビアレルギーの症状がひどい場合には、引越しをするという手段もあります。まずは自宅のカビ対策をしっかり行い、アレルギーに備えましょう!

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