後鼻漏とは

鼻水かのどの奥へ流れ込んでくる症状のことです。
平常時は意識せず鼻水を飲み込んでいますが、鼻水の分泌量が増えた時や、鼻閉・口呼吸になっている時、鼻水が粘液性や膿性になった時には、鼻とのどの間(上咽頭)に引っかかった感じが気になってきます。

後鼻漏による症状

咳嗽 (がいそう) 、のどの異物感や声のしゃがれ、口臭や口腔内の粘つき、味覚低下などがあります。

後鼻漏の原因を調べる検査

①鼻、のどの視診
②必要があればレントゲン検査
③必要があれば内視鏡(ファイバーカメラ)検査。
アレルギーが疑われる方で、まだアレルギー検査を行ったことがない方には、
④鼻汁検査や血液検査を行うこともあります。

後鼻漏が気になる場合の原因

副鼻腔炎、上咽頭炎、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、急性鼻炎の後期、慢性鼻炎の可能性がります。

治療

原因となっている疾患が分かれば以下のような治療で改善します。

副鼻腔炎

抗生剤や去痰剤などの薬物治療やネブライザー治療を行います。
改善がない場合は内視鏡下での副鼻腔手術が必要になる場合もありますが、手術を行っても完全に症状が消失しない場合もあります。

アレルギー性鼻炎

アレルギーの元となるアレルゲンを体内に入れないようにしましょう。抗アレルギー剤による薬物治療が有効です。

上記のような治療にて改善しますが、原因がはっきりしないことも多く、なかなか症状がとれない場合もあります。特に高齢者では花やのどの粘膜が萎縮して乾燥が強くなり鼻水が後ろに垂れたままへばりついてしまうことが多くなります。また、気温の変化などに鼻が敏感となり鼻水も多く出るため後鼻漏感が強くなります。このような状態では薬を薬のみで治らない場合、鼻うがいをするという方法があります。これは鼻から体液と同じくらいの濃度で塩水を入れて口から出すという方法で、奥にたまった鼻水を容易に取ることが出来ます。詳しくお知りになりたい方は看護師までお気軽にお声かけ下さい。

日常生活で出来るセルフケア

・体の冷え(とくに首の冷え)を防ぐ
・乾燥を防ぐ(部屋の湿度は40%以上)、マスクを着用する
・鼻呼吸を心掛ける(鼻呼吸しにくい時は耳鼻科で治療を行う)が重要です。
・塩素濃度の高いプールで泳ぐと後鼻漏が悪化する方もあり、悪化の程度によってはプールを休み事も考える必要があります。

慢性的な後鼻漏は改善まで時間がかかりますので、セルフケアも併用しながら治療を続けることをお勧めします。

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